一般的に挙児を希望するカップルの10~15%が不妊であり、健康的な夫婦の1割以上が不妊に悩んでいると考えられています。
さらに現代社会では女性の平均初産年齢が年々上昇しています。
女性の卵子は年齢が上がるにつれ数は減少し、質も低下します。そのため妊活を始める年齢が上がれば上がるほど妊活に要する時間も増え不妊治療が必要になる可能性も高まります。
では、包茎は妊活にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
包茎には大きく分けて3つのタイプがあり、それぞれ妊活に及ぼす影響が異なります。
包茎の種類について、簡単に説明すると下記のようになります。
- いつでも皮は剥けるが被ってしまう仮性包茎
- 全く剥けない真性包茎
- 頑張れば剥けるが締め付けが強いカントン包茎
包茎は直接的に妊娠しにくい原因になるのか?
不妊の原因として男性側の要因は約24%と言われており、具体的には造精機能障害、勃起不全(ED)などがあります。
包茎のみで直接的に妊娠しにくいとは断言できません。
しかし、間接的に関与してくる部分は多いため、それぞれのリスクを見ていきましょう。
包茎によるリスク
性交時の問題
性交時の問題に関しては、包茎の種類によって少しリスクが異なります。
仮性包茎の方などは、剥き慣れていない場合、性交時の亀頭への強い刺激を痛みと感じ、中折れの原因となることがあります。トラウマとなり心因性EDへ発展する可能性も考えられます。
真性包茎・カントン包茎の問題に関しては、勃起により締め付けが強くなり、皮が戻せなくなるカントン包茎を引き起こすリスクがあります。これは放置すると血流障害を起こし、最悪の場合には救急受診や亀頭壊死の可能性もあるため、注意が必要です。
またこういった心配や経験をすると、トラウマになり心因性EDで性交自体がうまく行えなくなってしまうことも考えられます。
衛生面の問題(感染症のリスク)
包皮の内側(内板)には恥垢を分泌する皮脂腺が存在するため皮の中は暖かく湿った環境になります。こういった環境は病原体の感染を促進し、衛生状態が悪いと感染症のリスクが高まります。
また、内板の表面は角質化が薄いため病原体の侵入を促進する擦り傷などを負いやすくなります。
エビデンスは確立されていませんが包茎の場合、包茎ではない方に比べ感染症のリスクが高いと考えられています。
常に剥けて乾燥した環境を作ることで、菌の繁殖を抑え、皮膚の表面にも刺激への耐性ができるため、感染症のリスクを下げることができます。
代表的な感染症(妊活の影響)
- 性感染症
-
性交時に感染する可能性のある疾患です。
具体的にはクラミジア、淋菌、梅毒、HIV、ヘルペスウイルス、ヒトパピローマウイルスなどがあります。
症状が出にくいものもあり、不妊の原因検査で見つかるケースもあります。
これらの感染症は、精巣上体炎、子宮頸管炎、卵管炎、母子感染など様々な疾患につながる可能性があります。
そのため性感染症は不妊の男性側要因、女性側要因どちらにも関与してくる危険性があります。
細かな性感染症に関してはこちらのページを参照ください。
包茎は性病になりやすい?その理由と主な性病について解説
- 亀頭包皮炎
-
亀頭部や内板の傷ついた粘膜に細菌が入り炎症を起こす疾患です。
発症中は発赤、痛み、かゆみがあり、恥垢が増加します。
発症中はこれらの症状もあるため性交自体も行いにくい状態になります。
少し赤いだけなど軽い症状でも放置せず、早期に泌尿器科へ受診し診断を受けたうえで、必要であれば治療を行うことをお勧めします。
繰り返すと包皮が硬化しカントン包茎や真性包茎になる可能性もあります。
全ての方に該当するわけではないですが、これらのリスクを考慮し、まずは現在のご自身の患部状態を知るということがとても重要になります。
妊娠中の包茎治療について
例えば切る包茎治療を行う場合、傷が治るまでの約1か月間は性行為ができません。
妊娠中の性行為に関してはパートナーと相談になりますが、悪阻のある妊娠初期やおなかがかなり大きくなった妊娠後期は性行為が難しい可能性もあります。そのため、性交をしない理由として包茎治療に関して伝えなくても良いというメリットもあります。
また、お子様が誕生した後は、子育てで忙しくなり、ご自身の治療に時間や費用を費やすのが難しくなるケースも多く見られます。そのため、妊娠期間中などタイミングを選んで治療を行うことは、一つの良い選択肢と言えます。
また、治療を経験することで、将来お子様が男の子の場合、ご自身の経験に基づいて適切なケアや教育ができるといったメリットも生まれます。
不妊と包茎の関係について正しく理解し、包茎治療を行うタイミングやより良い妊活を行っていくうえでの一助になりましたら幸いです。
- 当記事の監修者
-
- 白鳥 太一医師
-
泌尿器科
日本泌尿器科学会認定 専門医
平成29年3月 千葉大学 医学部 医学科卒業
平成31年4月 東京大学泌尿器科医局 入局
令和6年4月 ABCクリニック入職
令和7年4月 ABCクリニック大宮院 院長就任
平成29年3月 千葉大学 医学部 医学科卒業
平成31年4月 東京大学泌尿器科医局 入局
令和6年4月 ABCクリニック入職
令和7年4月 ABCクリニック大宮院 院長就任



